在来種を自家採取★守り続ける白山だだちゃ豆
2018.03.15
朝霧が味の良い豆を育む白山地区
山形県西部の庄内平野。その南端に位置する鶴岡市白山地区には、標高471mの金峯山の脇から湯尻川が流れています。
川の中流部にはナトリウムとカルシウムを含む硫酸塩泉のお湯が湧き出る湯田川温泉。
温泉水を含んだ川水は、水温が高くなり空気中の湿度が上昇。
夜の涼しい状態から朝方の急な温度上昇により、朝霧が発生します。
夏の朝には霧が畑をおおい、幻想的な景色を作り出すだけではなく、
その朝霧が、だだちゃ豆特有の甘味を育むといわれています。
だだちゃ豆の葉やサヤに朝霧の水滴が付くと、株の温度も下がるため栄養を溜めやすくなるのです。
伝承される在来種のだだちゃ豆
だだちゃ豆の種は苗ではなく、種を作るところからはじまります。どの農家でも種として用いる豆を栽培し、天井高く吊り下げて陰干しをします。
その昔、森屋藤十郎の分家、藤次郎の母初が、近隣の寺田地区の助右エ門の「娘だだちゃ」という豆の種をもらいうけて植え、毎年選種を丹念におこない、今のだだちゃ豆をつくりあげたと言われています。これが地区内でも特に珍重する「藤十郎だだちゃ豆」と呼ばれる系列で、そのほかにも「庄左エ門だだちゃ」「伊兵エだだちゃ」などと呼ばれる系列があります。
白山地区の農家さんが歴代につたえる種の良し悪しは「まずサヤの中の豆が一つや三つあるものは除いて、サヤ豆の片側がほとんど平らで反対側が大きくふくれ出ているものを選ぶこと。そして、二つ豆の谷間がくびれ、くびれあたりのサヤにシワがあることが条件で、そういう豆は甘味をふくんで独自の味がある」(大泉村史より)
白山だだちゃ豆は、長年にわたってきびしい選種をすることにより、全国的に類似品のない庄内の特産物になった伝統の旨みが残されてきたのです。

